◆ 後悔と懺悔 ◆ |
「気に入らねぇ」 ガツッと肉が打たれる鈍い音が響き、白い鎧の男が床に膝をついた。 「部下も付けずに一人で来れば、誠意を見せられるとでも思ったか?」 「必ず、我が隊が全力を尽くして捜索することを約束する」 「はっ!その隊長さま自らに、フェレーナは攫われたんじゃねぇか」 「・・・・・返す言葉もない」 「聞く気もないから安心しろ」 吐き捨てられた言葉に、ジュノの親衛隊長ウォルフガングは悲痛な表情を見せる。 「用が済んだなら帰れ」 「アルド!」 呼び止める声も無視して、ターバン姿の男はマントを翻して背を向ける。 「アンタも上の命令で動いただけなんだろ」 「・・・・・」 「大変だな、兵隊さんは」 棘を含んだ言葉を残し、天晶堂の頭首アルドが扉の奥へと消えていく。 残された男は膝の上で拳を握り、大きく項垂れたまま硬く硬く瞼を閉じた。 |
*補足* |
SS「独白」からの続きもので、同じくミッションシナリオがバックボーンになっています。 詳しくは「独白」下部のネタバレをドラッグ反転してお読み下さい。 |