◆ Fallen leaves ◆


秋風がそよぐエラジア大陸、ワジャーム樹林。

そのよく晴れた青空の下、大地に敷き詰められた落葉に寝転がり怠惰な時間を過ごしていた。


視界いっぱいに広がる青空をじっと見つめていると、そのまま吸い込まれそうな錯覚に陥る。

目がくらみそうになって瞳を閉じると、木々を揺らす風の音や落ち葉の匂いがより強く感じられた。

暑くもなく寒くもなく、開放的な心地よさにウトウトし始めた頃、誰かが近寄る足音が聞こえてきた。


「こんな所で何してんだ」


頭上からの声と瞼に陰りを感じて目を開けると、背の高いボサボサ頭が太陽を背に立っている。


「あー・・・?グランツかぁ」

「最近LSに顔を出さないから、リュミミが心配してたぞ」

「ん〜・・・」


何となく返事をするのが億劫で、そのままウヤムヤに目を閉じて再びまどろみの淵へと戻っていく。


「何かあったのか?」


それでも立ち去る様子のないグランツの声を無視して目を閉じていると、すぐ横に腰を下ろす気配がした。




カサカサと枯葉が転がる樹林の中で、淡々とした時間が過ぎていく。

何を語るわけでもなく、ただこう黙って横に居座られるのも微妙に居心地が悪かった。


「・・・・・暇だろ」

「ん?」

「こんなとこ居ても」

「お前は?」


面倒くさいヤツだな・・・と思いつつ、俺はチラリと目を開けて横に座るグランツに視線を向けた。


「1人になりたかったから」

「そうか、そいつは悪かったな」


とは言うものの、グランツは一向に腰を上げる気配がない。

もうこれ以上相手にするのもダルかったから、俺は諦めて目を閉じた。



そんなに暇なら、ずっとそこで呆けてろ。


無駄にお節介な大男の頭に枯葉が降り積もるのを想像したら、ちょっとだけ笑えた。







なんとなくセンチメンタルで人恋しくなる季節の秋。
ホントに一人になりたいのか、それとも寂しいのか、いったいどっちなんでしょうね。





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