◆ 聖なる夜に見る夢は ◆ No.3



それは、星芒祭前夜に起きた悲劇。


「いっ・・・ゃあっ・・・」
「だいぶ楽になってきただろう?」
「ゃ・・・だっ、ぁ・・・」


何の前触れもなく彼女にフラれ、自棄っぱちに酒場へ行って


「ほら、もう三本入った」
「っは、ぁ・・・っく・・・」


浴びるように酒を飲んで、隣のエルヴァーンにタチ悪く絡んで


「もっと力を抜いて」
「・・・ん、ぅ・・・」
「そう、いい子だ」
「も・・・も、ぅ・・・ゃ・・・」


それから―――


「っぁぁあ!」



それから、なんでこんな事になったんだっけ・・・







体の奥底で弾けた強烈な快感に、汗ばんだ背中がベッドを離れて大きく弓なりに反る。
「ここか?」
「っあ、あぁっ・・・っや・・・だ、ぁあっんぅ・・・」
今まで体験したことの無い内側からの強い刺激に、俺はただ女のように喘ぎ声を上げるしかなかった。
体の中をかき回す異物感は不快と快感を同時に生み出し、余計なことを考えられないよう全ての思考を支配する。
「やっ・・・め、て・・・っぁ、も・・・はぁっ」
アルコールのせいでほとんど勃ち上がらなかった前も、押し寄せる快感に少しずつ硬さを増していき、先端から透明な液を滴らせ始めていた。

「気持ちいいだろう?」
「よく・・・な、っぁ・・・」
突っ込まれて感じてるなんて絶対に認めたくないのに、自分の意思に反して体はビクビクと反応し、緩んだ口元からだらしなく声が漏れる。
ぐちゅぐちゅとした卑猥な音が耳からも俺を犯し、どうにも抗えないほどに追い立てられていた。
「ここ、こんなになってる」
「ひぁっ!」
完全に反り返ったソレを撫でるように握りこまれると、腰に溜まった熱が今にも飛び出してしまいそうだった。

「そろそろいいか」
言って男は俺の中に埋めていた指を全て引き抜くと、ナイトテーブルの引き出しから小さな瓶を取り出した。
中からトロリとした液体を手のひらに垂らすと、ツンと来るほど甘い香りが部屋中に広がる。
「・・・そんな不安そうな顔をするな」
いったい俺がどんな表情をしていたのかは分からないが、男は少し困ったような笑みを浮かべつつ、粘度の高い液体を自分のモノに塗りつけていた。

「入れるぞ」
ゆっくりと押し入ってきた凶器は想像以上に熱く太く、先ほどまでの指とは比べ物にならない質量だった。
「っい、ぁっ・・・ゃ、っあぁ!」
喉の方まで塞がれるような圧迫感と、引き裂かれる痛みに息も出来ず、嫌々をするように激しく頭を左右に振る。
「大丈夫、力抜いて」
「やっ・・・む、り・・・」
「ゆっくり、息を吐いて」
一度は止まっていた涙が再びボロボロと溢れ出し、苦しさのあまり目の前の太い首にしがみ付く。
男はそんな俺の背中をあやすように抱きしめて、呼吸が落ち着くまでじっと待ってくれているようだった。


「いいか?」
支えていた俺の上半身をベッドに横たえ、男が上から覗き込んでくる。
様子を窺うようにゆっくりと抜き差しが開始されると、腸壁の奥まで擦られる感覚に鳥肌が立った。
「ぁ・・・っぁ、ぁ・・・」
内腿が勝手にガクガクと震え、背中を大きく反らせたままシーツを固く握り締める。
捧げるように曝け出した乳首を軽く摘まんで磨り潰されれば、快感が電流のように走り抜けた。
「んぁっ、はっ、ぁ・・・んっ・・・」
徐々に激しく揺さぶられ、痛みとは違う感覚が確実に膨れ上がっていく。

体の奥から湧き上がる熱に浮かされながら、俺の意識は真っ白な世界に飲み込まれていった―――。


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