◆ 蛹 ◆ No.4


「ン、んぅ――!」

思い切り突き飛ばしたはずなのに、男の体はびくともしない。
酸欠になるほどの濃厚な口付けのあと、クレイグはゆっくりと唇を離して俺に言い聞かせるように優しく囁いてくる。

「そんなに暴れないで、あまり乱暴なことはしたくない」
「っは、はぁ・・・ヤ、ほんと、なに・・・」
「昨夜の続きですよ」
「じょ、冗談じゃねぇ・・・マジちょっとどけって」

もう一度全力でクレイグの体を押し返そうとしてみたけれど、やはり全く動かなかった。

「ちなみに今の私は、本当に『赤さん』ではないんですよ」
「は?」
「一旦ハウスへ戻って着替えてから来ましたので」

そう言って再び俺の体をまさぐり始めたコイツのジョブやレベルはこの状態では確認することができないが、種族差だけでは言い訳できない力の差から察するに、間違いなく俺から見て【とてもとても強そうな相手です。】だろう。
いや、むしろ状況的に【計り知れない強さです。】と言っても過言ではないかもしれない・・・。
必死で抵抗してみるものの、簡単に押さえつけられて身体の敏感な箇所をあちこち弄ぶように刺激してくる。

「っん・・・ャ、だ・・・」
「今日はちゃんとベッドで抱かれるのだから、イヤじゃないでしょう?」
「ふざけ・・・ぁっ」

左手で内腿を擦りながら右手で乳首を摘まれ、もう片方の乳首を舌先でチロチロと舐められた後に軽く歯を立てられる。
むず痒い感覚と時折与えられる強い刺激にビクビクと身体が反応し、俺の中心部はすぐにムクムクと頭をもたげ始めた。

「気持ちいい?」
「ぅ・・・っく、ン・・・」
「イツキ」
「・・・ゃ・・・め・・・」
「こんなになってるのに?」
「ぁ、あっ」

反り返った性器を手のひらに包み込まれ、ゆるく扱くような動きに全身の血が集中していく。
クレイグの舌が胸から脇腹へ、そして腰へと移動していき、やがて張り詰めたペニスへと到達すると、耐え難い快感が一気に膨れ上がった。

「んぁっ!」

裏筋をなぞりながら何度も舌が往復し、全体を吸い上げるように口の中に含まれてしまうと、腰に溜まった熱が今にも破裂してしまいそうになる。
それを何とか回避しようと、クレイグの髪に両手の指を差し込んで引き剥がそうと試みるものの、震えの走る身体では思うように力が入らなかった。
抵抗しているのか縋り付いているのか、もうどちらだか分からない状態がしばらく続き、俺の限界はすぐそこまで迫っていた。

「ゃ・・・め・・・も、出ちゃ・・・」
「いいですよ」
「放、し・・・ぅっ」

咥えこんでいたものを口から放し、絶頂へ向けて急速に右手で擦り上げられると、俺の下半身はあっという間に達してしまった。
ただでさえクタクタに疲れているのに、こう無理やり吐精させられてしまうと、全身が鉛のように重く感じて指一本すら動かす気力がなくなってしまう。
グッタリと身体を投げ出したままクレイグの方に目をやると、上品な口元をニヤリと歪ませ俺の胸や腹の上に散った白い粘液をヌルヌルとかき回していた。

「はぁ、はぁ・・・あんた・・・なんなんだよ・・・」
「続きですよ、続き」
「いい加減に・・・」
「いきますよ」

抗議の声をさえぎる様にクレイグは俺の右足を押し上げて腰を浮かせ、露になった後孔に指を二本ねじ込んできた。





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