◆ 蛹 ◆ No.2


「ぇ・・・ッ!?」
「ソレ、お手伝いしますよ」
「ちょ、えっ・・・」
「眠れないんでしょう?」

膝を抱えた姿勢で前を隠していた隙間に手を差し込まれ、剥き出しの性器に赤魔道士の指先が触れる。
ビクリと緊張した肩を抱き込むように押さえつけられ、強引な手つきで握った性器を擦り上げ始めた。

「やっ・・・何すっ・・・」
「自分でするより、人にしてもらったほうが気持ちいいでしょう?」
「い、いぃ、からッ・・・まじ、やめ・・・!」
「大丈夫、すぐ終わりますよ」

俺の反論などおかまいなしで、無遠慮な手に追い立てられて無理やり快感を呼び起こされる。
ここで本気で抵抗しようと思うなら、俺も男だし、前衛だし、こいつを振り払う事くらいは出来るはずなんだが・・・自分でリーダーをして組んだPTの空気を悪くさせたくないとか、メンバーとトラブルを起したくないとか、そんな遠慮が頭の隅にあるので思い切り抗うことができなかった。

「ぅ、んっ・・・やば・・・」
「出しちゃっていいですよ」
「ゃ・・・ぁ、っく・・・」

こんな所で、こんな状況で、男の手を借りてイかされたくない・・・そんなプライドも吹き飛ばすダイレクトな刺激に追い立てられて、俺の下半身はあっという間に白旗を上げた。
パタパタと白濁した体液を枯葉散る地面に吐き出してしまうと、更なる疲労感がドッと押し寄せてくる。
もう、どうでもいいから、このまま目を閉じて眠ってしまいたい・・・そんな風に頭が朦朧とし始めたところで、体を前方に押し倒された。

「ぅっ・・・」

急な動きに受身を取り損なって、右のこめかみと頬骨のあたりを思い切り地面に打ち付ける。
軽く擦り剥いたようなチリっとした痛みに意識がいったその隙に、赤魔道士の手が俺の下衣を後ろから一気にずり下ろした。

「―― ッ!?」

あまりの驚きに声も無く慌てて起き上がろうとすると、後ろの穴に男の指が一本差し込まれた。

「っ・・・ぃッ!」
「やっぱり狭いですね」

先ほど俺が吐き出した精液で塗れているのか、ヌルついた指が一度は奥深くまで差し込まれ、それからゆっくりと抜き差しが繰り返される。

「ゃめッ・・・ぅ、く・・・」
「キツイですか?」
「ゃ、ヤダ・・・ゃ・・・ぅっ」
「ゆっくり慣らせば、悦くなると思うんですけどね」
「っ・・・も、抜ぃ・・・て・・・」

しつこく体の中を抉られて、その妙な異物感に腰から震えが走り抜ける。
こうして赤魔道士の指はしばらく同じ動きを繰り返していたが、「やっぱり止めときましょうか」という言葉と共にアッサリと中から引き抜かれた。

「はっ・・・ぁ・・・」
「明日もまだ1日狩りの予定がありますし、ここで無理させちゃダメですよね」

四つん這いにされていた体を抱き起こされ、乱れた衣服を丁寧に整え右のこめかみに軽く唇を寄せられる。
すっかり精根尽き果てていた俺は、もうこのエルヴァーンのされるがままにグッタリと体を預けていた。

「今度は私も気持ちよくさせてくださいね?」

上品な顔に綺麗な笑みを浮かべながら、俺の顎を掴んで唇にも触れるだけのキスを落す。

「ここには襲ってくるような危険な敵は居ないと思いますが、身体の熱が落ち着いたらちゃんとキャンプへ戻ってきてくださいね」

俺に自力で体を支えるよう促しながら距離を取り、「じゃぁ私は先に戻ります」と言い残してエルヴァーンの赤魔道士は他のメンバーが眠るキャンプへと戻っていった。
ただでさえ体はクタクタに疲れているのに、同性のPTメンバーにこんなことまでされて・・・明日の狩りを無事に乗り切れるのか、考えるだけで気が重くなる。

後1日・・・後1日・・・・

口の中でそう何度も繰り返し呟いてから、投げ出したい気持ちを全身で表現するかのように地面に大の字で転がった。


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